2004/11/12
その日は待ちに待っていたウィーンフィルでした。

「仕事後に聴こうというケチな思いを抱かず、当日は必ず休みをとり、前夜は熟睡し
ハードロックコンサート並みの気合を入れ、気分をアクセル全開にして出かけよう!」

…と、忠告されていたのに、仕事をしてしまっていた私……
案の定、引っかかってしまいました…仕事に……。

それは、昼過ぎの東京支社からの一本の電話でした。
「急な話で悪いねんけど、ちょっと相談に乗ってくれる?」
話をしているうちに、だんだんとイヤな感じ……
「ボクそろそろ外出せなあかんねんけど、21時半ごろには本社にいけるから、
その時に原稿渡してもいい?」
あー…そんな感じはしていたよ……
「私もコンサート行くから、21時半やったら帰って来れるかもー」
「え?もしかして、ひょっとして、ウィーンフィル??」
…そーだった、彼もまたクラシックファンだったな…確か……。

そんなわけでして、公演が終わってから会場で合流し、仕事に戻らなければいけないハメに…。

うわー……こーいうコンサートはさー、
その余韻を楽しむのがいいんじゃんかーっっ!!!!
それが、醍醐味なんじゃん!!!
それなのに、即仕事かよーっっ!!!!

コンサートはねー、すごいよかったです!!!
なんといっても、ピッチ444ですからねーっっ!!!なんてハイトーン、そしてなんて軽やか…。
特に1部のJ.シュトラウス?のワルツ・ポルカetc.なんて、涙モノですよ。
私もこんな風に軽やかに演奏できるようになりたいなぁ……。
アンコールは1部の終了後にありました。
ポルカを2曲、これもとても素敵でした。
なんていうか、とても楽しそうに演奏をされているのが印象的でした。
特にコンサートマスターの隣で演奏してた方!!!あなたの笑顔見てると、
こっちも自然に顔が笑っちゃいましたよ!!!いいなぁ…こういう演奏聴くと、ますます音楽が好きになる。

2部はチャイコフスキーの交響曲第6番 ロ短調op.74「悲愴」
第1楽章は、なんか普通な感じで始まったのですが、
2楽章、3楽章とどんどんテンションというか気持ちというかがのってきて、
4楽章は久しぶりに感動した演奏となりました。
普通最終楽章ってとても壮大に華麗に終わるものですが、この曲の第4楽章は
なんか痛みが伝わってくるような、そんな感じなのです。
それがまた、ワレリー・ゲルギエフの指揮で、ものすごいドラマチック感というか、
壮絶感というか…そんな風に演出されていて…最後の消え入るような低音の音と、
それに続く静寂は、いたたまれなくなってしまうほどです。
それでも、ゲルギエフの指揮棒は下りない。静寂の中でずっと指揮棒を止めて、
その余韻を芸術に変えているのです。すごいですよ、この哀しみを湛えたような静寂は。
そして、それに耐えられなくなった人が……拍手しちゃったんですよね…これは正直
……痛かったですね……。ものすごい、なんかゲルギエフの作り出す空間を、破壊したというか…
うわー…って。もしかしたら、ゲルギエフはもっとその空間を長く保ちたかったかもしれない…
だけど、何人かの拍手がなり、その間違いに気がついたかのように拍手が止んだ時、
ゲルギエフの指揮棒は下りたんですよね……うーん、今となってはわかりませんが、
あれがタイミングたったのでしょうか……(涙)。
実は、3楽章が終わった時も、拍手が入っちゃったんですよね……
こーいうとき、関西の人は慣れてないな…と思う。
観劇マナーにしても、こういうクラシックコンサートのマナーにしても、
関東の人たちに10歩くらい遅れていると思う。

2部の後のアンコールはなし。
でも、ゲルギエフ氏は何度も出てきて、我々の拍手に応えてくれました。

あー…この余韻のまま家に帰りたいー……
…でも、仕事に戻りました(涙)。

会社に戻るタクシーの中で、同僚とウィーンフィル談義に花が咲いたのですが、
「悲愴」に関してはほぼ私と同意見のようでした。いや、彼のほうがもっと詳しい、
そして、ゲルギエフファンだった(笑)。

さらに、明日の月曜日にはベルリンフィルのオペラを観にいくとぬかしてました(笑)。
私なんか足元にも及びませんよ……(苦笑)。

そんな彼との仕事の打ち合わせは、なんかけったいなものでしたよ。
仕事の話の途中途中に、コンサートの話が織り交ざってくるのです(爆)。
私はガッツリ頭を無理やり切り替えたというのに、
彼の頭の中は仕事とウィーンフィルがごっちゃの模様。
突然「あの4楽章のあの休符が完璧」と言い出したり、
フレーズを口ずさみだすことがしばしば…(爆)。

返す返す……ウィーンフィル後に、仕事なんかするもんじゃない……

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